アスリートであれば、ジャンプ力は喉から手が出るほど欲しいですよね!私もアスリートの端くれですので、気持ちはすごく分かります。バスケット、バレーボール、その他の高さが必要なスポーツは「ジャンプの高さ」があるだけで試合を有利に進められること多いです。
今回はジャンプ力をつける筋トレ方法についてお話したいと思います!
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ジャンプ力は誰でも手に入れることができる!
確かに元からジャンプ力がある人はいます。しかしジャンプ力は才能だけではありません。努力をすることで確実に手に入れることが出来るのです。私も最初はジャンプ力が全然なくて、バスケットゴールのネットを触るぐらい(270cm程度)が精いっぱいでした。
そこから高校のトレーナーの指示に従って筋トレするうちに今では330cmまで届くようになりました。私は身長175cm程度でアスリートとしては大きくありません。ジャンプ力は筋トレをすることで確実に手に入るとお話しましたが、がむしゃらに筋トレをしてもジャンプ力は上がりません。
それどころかジャンプ力が下がってしまう可能性だってあります。なので、ジャンプ力が欲しい人は「正しい筋トレ方法」を理解して、確実に実践しましょう。何事も成功するためには、「正しい努力」と「継続」が大切です。
間違った努力でしんどい思いをして無駄に終わる事だけは避けなくてはなりません。そのためにはまず筋トレの知識を手に入れるところからスタートすることが一番の近道なのです!
では、本題へ!
ジャンプ力をあげる方法①基礎的な筋力アップ
ジャンプ力を上げるためには基礎的な筋力を全てアップさせなくてはなりません。昔は筋肉をつけすぎると重くなるから高くジャンプできないと思われていました。しかしこれは間違いです!
これはジャンプに必要がない筋肉を過度に筋肥大させすぎた結果、ジャンプする時に重りとなるためです。ジャンプに必要な筋肉の筋力強化をすることは、高くジャンプすることにデメリットは一切ありません。
むしろメリットだらけです。
筋トレの知識がない状態で何となくダンベルをフンフンッ持ち上げていると、上記のようなジャンプに関係ない筋肉ばかり筋肥大してしまう可能性が非常に高いのです。
体全体をバランス良く強化できる筋トレ3つをご紹介します。この筋トレは筋トレBIG3と言われており、非常に効率のいいトレーニングです。基礎的な筋肉の強化はもちろん、更に上を目指すアスリートにも必須の筋トレと言えます。
今から紹介するトレーニングは慣れてくるとバーベルを担いで行う「高重量トレーニング」です。
これらの筋トレは同時に複数の筋肉を鍛えることに向いています。その分、難易度の高いトレーニングなので、間違ったフォームで筋トレをしてしまうとケガのリスクが高くなります。必ずトレーニングベルトなどで腰や関節を保護してトレーニングをするようにしてくださいね。
筋トレの負荷が上がればあがるほどマストな筋トレアイテムです。
ちょっと恥ずかしいから重さが上がるようになってからにしよう・・・
むちゃくちゃ気持ちはよく分かります(笑)わたしも恥ずかしくてずっとベルトを装着せずにトレーニングしていました。その結果、デッドリフトをやっていてふとバランスを崩した時に「パンッ」と音が聞こえました。私の腰の筋肉が肉離れする音でした・・・私は1ヵ月以上筋トレやスポーツが出来ませんでした。
これらのケガは高重量を扱えば少しのミスで簡単に起きてしまうケガです。トレーニンググッズを利用すれば防げるものが多いですので、筋トレを始めたばかりの初心者こそ装着するようにしてくださいね。
デッドリフト(体幹・ハムストリングス強化)
動画を見て頂くとわかりやすいかと思いますが、デッドリフトは床に置いたバーベルをひざ下から下腹部まで持ち上げる筋トレです。慣れてくると100kg以上を扱うような高重量の筋トレとなります。
「フリーウェイトトレーニング」呼ばれる、支えのないバーベルを自由に扱える筋トレですので、まずは確実なデッドリフトのトレーニングフォームをマスターしてから重量を増やすようにしてくださいね。
重さを上げるよりも正しいフォームで筋トレをした方が効果が高いですし、ケガのリスクも減少させることができます。バーベルデッドリフトは多くの筋肉に効果がある筋トレですが、主に効果がある筋肉は「ハムストリングス」「脊柱起立筋」「広背筋」に効果があります。
デッドリフトで鍛えることができる筋肉はアスリートにとって非常に重要なのです。特に「ハムストリングス」はアクセル筋と呼ばれており、「ダッシュ力」や「ジャンプ力」など前に進む時に使う筋肉です。アクセル筋を鍛えておくことにより前に進む力がアップするので、必然的にジャンプ力がアップするのです。
ジャンプ力を上げたい人は大腿四頭筋(太ももの前側)ではなく、ハムストリングスが筋トレで鍛えられているかを意識するといいでしょう!
- 床にバーベルを置く
- バーベルの前に立ち、脛(すね)がバーに当たるぐらいの位置に立つ
- 肩幅ぐらいのスタンスで立ち、肩幅より少し広めでバーベルを持つ
- 背中は丸くならないようにして、セットする
- 息を吸って、背中と腰が反っている状態のままバーベルを持ち上げる
- 両ひざが伸びきったら、肩甲骨を内側に寄せるようにする
- 息を吐くようにしながら、背中と腰が反っている状態のままバーベルを下ろしていく
①~⑦を5回繰り返して行う。
インターバル 2分~3分間で、セット数:5セットです。
デッドリフトについて詳しくはこちらの記事
スクワット(大殿筋・ハムストリングス強化)
スクワットは下半身の筋トレで最もメジャーな筋トレです。部活動などでやった経験がある人が多いのではないでしょうか。スクワットはジャンプ力を鍛えるのにとても効果的です。
デッドリフトと同じく前に進む筋肉である「アクセル筋」を鍛えることができるので、ジャンプ力アップ効果が期待できるのです。同時に大腿四頭筋(太ももの前側)も鍛えることができます。大腿四頭筋はアクセル筋と呼ばれているハムストリングスと逆で「ブレーキ筋」と呼ばれています。
止まるための筋肉?
そうなんです!走ったりしている勢いを止める時に使う筋肉なのです!
ジャンプ力に関係ないんじゃないの?と思う人も多いと思います。しかし高くジャンプするにはブレーキ筋はとても大切なのです。
高くジャンプするためには走っている勢いを真上に変換しなくてはいけません。前に行く力が強いのにブレーキの力が弱い場合は、前に行く力を変換しきれずに幅跳びのような「前に流れるジャンプ」になってしまいます。
当然、前に力が流れているのでその分ジャンプの高さが下がりますよね。私もブレーキ筋が弱かったので、前跳びの癖がありました。これを改善するだけでも人によってはジャンプ力が5cmから10cm程度アップする人もいました。それほどブレーキ筋は大切なのです。
ただしアクセル筋が弱いのにブレーキ筋ばかり鍛えてはいけません。強いブレーキは強い前進力があってこそ役立ちます。じゃないとただの重りになってしまいますからバランス良く鍛えましょう!
- バーベルを担いでください
- 足の幅は肩幅ぐらいに開いてください
- つま先は少し外側に向くようにする
- 背中・腰は丸めないように真っすぐ伸ばすようにする
- 腰を落としていき、膝が90度になるまで下げる
- この時、膝が前に出ないように注意してください
- 腰を落としたら元の状態まで戻してください
①~⑦を繰り返し6回 × 3セット行います(バーベルを担いでいる場合)
※自重の場合は12回を目途にトレーニングをしてみてください
スクワットについて詳しくはこちらの記事
ベンチプレス(体幹・大胸筋強化)
ベンチプレスは大胸筋や上半身全体を鍛えることができる筋トレです。ジャンプ力に上半身は関係ないのでは?と思う人も多いと思います。
しかし高くジャンプするには実は上半身の力が関係しているのです。ベンチプレスは上半身全体を鍛えることができるため、ジャンプ力アップに非常に効果的な筋トレなのです。
- フラット(平らな)ベンチに仰向けになる
- 仰向けに寝転がったら、背中がアーチになるように少し反るようにする
※肩甲骨を寄せる意識をすると尚良し! - バーベルを持つ位置は肩幅より外側15cmほどを持つようにする
- バーベルをラックから持ち上げてセットする
- ゆっくりとバーベルを胸に下ろしていく
- 胸まで下ろしたら、バーベルを持ち上げる
①~⑥までを繰り返し行います。
インターバル:3分程度で、セット数:5セットです。
ベンチプレスについて詳しくはこちらの記事
ジャンプ力をあげる方法②プライオメトリクストレーニング(瞬発力強化)
上記でご紹介した筋トレBIG3で筋力・筋量をアップさせたら、次はそのアップさせた筋肉達の一瞬で発揮できる力の量をアップさせて上げなくてはなりません!簡単に言うと、一瞬に込められる力をアップさせるトレーニング!をしましょう。ということです。
実際に私もこれを教えてもらってからジャンプ力が飛躍的にアップしました。基礎的な筋トレはずっとやってきていたので、筋力には自信がありました。しかしこのトレーニング方法を知らなかったばかりに、自分の潜在能力の半分も使えていなかったのです。
頑張って筋量・筋力をアップさせるだけではジャンプ力はアップしません。確かに力は強くなったかもしれませんが、ジャンプするためには爆発力が必要なのです。爆発力を鍛えるトレーニングは通常の筋トレとは違います。
特殊なトレーニングをしなくてはその能力は伸びません。その特殊なトレーニングのことを「プライオメトリクストレーニング」と言います。プライオメトリクストレーニングは通常の筋トレを違い、「短時間でどれだけ大きな力を発生させることができるか」が重要です。
パワー(瞬発力)を鍛えることがジャンプ力には必要です。筋力は通常の筋トレで鍛えておきプライオメトリクストレーニングでスピードとパワー(瞬発力)を鍛えることでジャンプ力がアップするのです。
<おすすめ>具体的なプライオメトリクストレーニング3つ
プライオメトリクストレーニングは筋収縮速度を早くすること(瞬間的に発揮できる力をアップ)が目的です。
①ジャンピングスクワット
ジャンピングスクワットは途中の動作まではスクワットと全く同じです。スクワットの動作にジャンプを組み合わせたトレーニングです。スクワットの持ち上がるMAX重量の30%以下で筋トレするようにしてください。
スピードが大事ですので、高重量でやってトレーニング動作が下がってしまっては効果がないので注意が必要です。
スクワットはジャンプに必要な筋肉を多く使います。それらの筋肉を使ってジャンプすることで、筋肉の連動性のアップも期待できます。連動性がアップすれば更にジャンプ力アップ効果が期待できるのです。
出来るだけジャンプ後はすぐにジャンプするようにして、接地時間が短くなるように意識しましょう。
- バーベルを担ぎます
- 背中を丸めないように肩幅より狭いスタンスで立ちます
→スタンスを狭めにすることでハムストリングスに刺激が行きやすくなります - 腰を下ろしていきます
→90度までは下げない方が効果的です。全力でジャンプできるだけの膝の曲がりがあればオッケーです。 - 真上にジャンプして、着地後すぐにまたジャンプします
①~④ 12回 × 3セットを行います。
②デプスジャンプ
デプスジャンプとはボックス(台)から飛び降りて、着地したらすぐにジャンプするというトレーニングです。着地した時に瞬時にジャンプすることで、一瞬で発揮できる力をアップさせることが狙いです。
地面に接地している時間を出来るだけ短くすることで筋収縮速度を鍛えることができるので意識してみてくださいね。地味なトレーニングに見えますが、実は筋肉にはかなりの大きな負荷が掛かっています。筋肉の収縮速度が早いので、負荷が大きいのです。
負荷が物足りないなぁ・・・と思う人は、ボックスの高さを上げてみると負荷はアップします。慣れてきたら台の高さは上げてもオッケーです。
- 膝より高い台を用意します
→ボックスの高さはトレーニングの熟練度で変更オッケーです - 背中は丸めないように真っすぐボックスの上に立ちます。
- 台の上からゆっくりと落ちます
- 着地した瞬間に全力でジャンプします
→できるだけ接地している時間は短くなるようにしてください
①~④を10回×3セットを行います。
③ハイクリーン(上級者編)
ハイクリーンはデッドリフトの動き+瞬発力の動きを組み合わせた筋トレです。そのため難易度が他のトレーニングに比べると高いです。しかしその分トレーニング効果も高い筋トレです。まずはデッドリフトをマスターしてから行うようにしてくださいね!
ハイクリーンは途中までデッドリフトの動作で、バーベルが膝の下付近に来た時に鎖骨の前までバーベルを全身の力を使って一気に持ち上げます。上半身の力でバーベルを持ち上げているように見えますが、下半身の力をどれだけ使えるかが重要なトレーニングです。
下半身が伸びる力を上半身に伝えて爆発的にバーベルを上に持ち上げるのです。ハイクリーンは体の連動性がアップします。またジャンプする動作に非常に似ているので、ハイクリーンを行うことで爆発的にジャンプ力がアップするアスリートが多いです。
そのため多くのアスリートがこのトレーニングを行っているのです。ハイクリーンで難しいポイントはキャッチと呼ばれる動作です。バーベルを持ち上げた後に鎖骨前にバーベルを置くようにしてストップさせます。
この動作が慣れるまで難しいので、まずはバーベルのみで練習して完璧なフォームを身に付けてからバーベルの重さは上げるようにしてくださいね。私も慣れないうちに重量にチャレンジしてキャッチをミスしてしまいバーベルを落下させてしまったことがあります。
足の上にバーベルを落としてしまったり、腰を痛めてしまったりするリスクがあるので、ハイクリーンのキャッチ動作は完璧になるまで繰り返し練習しましょう!
デッドリフトについて詳しくはこちらの記事
ジャンプ力をあげる方法③実際のスポーツの動作
ここまで「筋トレで筋量・筋肉量をアップさせる→瞬発力を強化する」ということでジャンプ力がアップするとご説明してきました。これだけでも単純なジャンプ力は確実にアップします。
しかし、効率よく1ヵ月で15cmもの効果を出すには不十分ですし実際のスポーツの場面では力を発揮しきれない事が多くあります。この③をすることで実際のスポーツでも役立つ筋肉に仕上げることができるのです。それは自分の行っている競技の動作をトレーニングメニューに組み入れることです。
例えば、あなたがバレーボールを行っている場合はスパイクジャンプの動作を日々の筋トレメニューに入れてみてください。
- スクワット(筋力アップ)
- ジャンピングスクワット(瞬発力アップ)
- スパイクジャンプ(実践的な動作)
①~③をワンセットとしてサーキット形式でトレーニングを行います。
①スクワットを8RMで行い、次に②ジャンピングスクワットを30秒、次に③スパイクジャンプをフルジャンプで10回、これでワンセットとして3セット行います。
- スクワット 8RM
- ジャンピングスクワット30秒
- スパイクジャンプ10回
とある実験がありました。
この3人を比べた時にCさん > Bさん > Aさん の順番でジャンプ力がアップしたのです。筋トレと瞬発力を組み合わせる事の重要性がこれによりわかると思います
では、Cさんが更にスポーツでジャンプ力をあげようと思ったらどうしたらいいのでしょうか?それは競技にあった動作を出来るだけ筋トレに組み合わせて、脳にその動作を覚えさせて発揮できる力を鍛えることです。実践的な動作は複数の筋肉を使うので、体の連動性が必要となります。
単純に瞬発力がアップしても、実際にスパイクジャンプなどの複雑な動作をしたらその力が発揮できない場合があります。なので、繰り返しスパイクジャンプ動作をくりかえすことで体に覚え込ませて、連動性をアップさせるのです。それにより更にCさんはジャンプ力がアップするのです。
まとめ
確かに才能でジャンプ力が高い人もいます。しかしジャンプ力は努力でも大きくアップさせることができます。
そのためにはただがむしゃらにトレーニングするのではなく、正しい知識を得て、効率よく筋トレを行うように心掛けましょう。いくら努力しても向かっている方向が違えば、逆効果になってしまう可能性だったあるのです。
× = がむしゃらな努力
○ = 正しい努力