バレーボールで勝つチームになるためにはどんな練習をすればいいのでしょうか。必死に練習するだけでは、ライバルチームに勝つことはできません。弱小チームと強豪チームの違いは練習時間の差やキャリアの差だけではありません。今回は勝てるチームの練習方法についてお話したいと思います。
Contents
「勝てるチーム」と「上手いチーム」の違い
「勝てるチーム」と「上手いチーム」は似て非なるモノです。「上手いチーム」すごいスパイクやレシーブが出来る選手はいますが、接戦になった時には簡単に負けてしまいます。一方で「勝てるチーム」はそれほどすごい選手はいないのに、取るべき得点を確実に取って接戦をモノにして勝ち進んでいきます。
答えは「取らなくてはダメな点数を取って、落としてはいけない点数を落とさない」ということです。
ん?どういうこと?と思うかもしれません。バレーボールは流れのスポーツであり、リスクを冒してでも取らないといけない点数があったり、落としてもいい点数もあります。
例えば、こちらがサーブ権を持っている場面で相手が乱れてチャンスボールが返ってきたとします。この点数を取ればブレイクポイントと言って相手と点差をつけるチャンスなのです。この点数を取れば相手を突き放す事ができるポイントです。
ミスをしても点差は動かないのでリスクを冒してでも取りに行かなければならない点数です。逆に相手からのサーブでこちらが攻撃する場合は、ミスすればブレイクポイントを相手に奪われるので点差をつけられてしまいます。ある程度、堅実に攻めなければなりません。
このように同じ1点でも重さが全然違うのです。この事を意識して、どうやったら勝てるか考えてみるとおのずと答えが出てきます。
具体的に勝つための3つの強化すべきポイント
勝つ方法①サーブカットを安定させる
勝つ方法②繋ぎのプレーを強化する
勝つ方法③実践に近い練習をする
勝つ方法①サーブカットを安定させる
勝つためにはサーブカットの安定は1番大切です。理由は簡単で、「「勝てるチーム」と「上手いチーム」の違い」でもお話しましたが、1点の重さは場面によって変わります。サーブカットをしてから攻撃する場面では、ミスをすればブレイクポイント(点差がつくポイント)を相手に与えることになるので、最も強化すべきです。
サーブカットを安定させてAパスからこちらに有利な状態で攻撃しなくてはなりません。サーブカットが乱れてしまうと2段トスでの攻撃になり、相手のブロッカーに2枚3枚とマークされるので簡単にシャットアウトされてしまうのです。
ブレイクポイントを相手に取らせないためにも、まずはサーブカットを安定させてこちらの有利な攻撃枚数で攻撃することがとても重要です!
勝つ方法②繋ぎのプレーを強化する
バレーボールで勝つためには繋ぎのプレーを強化しなくてはなりません。特に強化しなくてはならないプレーは「強打レシーブから2段トス」です。トスはセッターだけでなく、全員が安定したトスを両サイドに高く綺麗にあげれるようにならなくてはなりません。試合でブレイクポイントを相手から奪うためには、まずは相手の攻撃を拾ってから切り返して攻撃しなくてはなりません。
・レシーブしたボールをどんな状態でもいいトスにする能力
この2つを強化することで、ブレイクポイントを奪うことができるので、相手と点差をつける能力がアップします。
勝つ方法③実践に近い練習をする
バレーボールで勝つためには、どれだけ実践に近い練習が出来るかどうかが重要です。
例えば、回転していない手で投げたボールをトスする練習をするとします。この練習はフォームを確認したり、初心者のうちはとても大切な練習方法です。しかし、この練習で試合に勝てるようになるかと言えば「NO」ですよね。
実際の試合で「無回転の優しいボール」をトスすることは、ほとんどないですよね。トスの実践的な練習をするのであれば、実際に強打をレシーブしたボールをトスするのが一番練習になります。
強打レシーブをして上がったボールは強烈な回転がかかっていたり、自分の近くにボールが上がってこなかったりします。「ぎりぎりボールに追いついて正確にトスする能力」や「回転の掛かったボールへの適応能力」を磨くことが試合で勝つためには重要なのです。
実践的な練習方法
①2マンレシーブからのトス練習
強打レシーブから2段トスを正確にプレーするための練習方法です。通常の2マンはセンターから強打やフェイントをしてトスをして、またセンターにレシーブを返すという練習方法です。今回の2マンはトス練習に特化させるためにアレンジをしています。
- コーチがレフト側orライト側から強打を打ちます
- 片方のレシーバーが強打を拾います
- 拾ったボールを2段トスします
- トスが正確な2段トスになれば、次はトスを上げた人が強打レシーブをします
①~④を繰り返して4球(2人2回トスする計算)正確にトスがあがれば交代です。
このように強打レシーブしたボールを両サイドに高くトスをあげます。正確にトスがあがった回数で交代になるので、ただ練習をこなすだけでは終わりません。しっかり正確なトスを高確率で上げれるように練習しましょう!
わたしのチームもこの練習方法を取り入れていますが、チームのトス精度が格段にあがりました。トスが良ければ両サイドのスパイカーが思い切って2枚3枚ブロックに対して勝負を挑めるので、ブレイクポイントも取りやすくなります。
②サーブカットからのコンビ練習
サーブカットだけを練習するのも、フォームの確認や数をこなす練習としてはとてもいいですが、実践的な練習をするためには少しモノ足りません。セッターも実際にレシーブしたボールをトスする方が実践に近いですし、スパイカーも毎回サーブカットの返球位置や高さが違う方が練習になるのです。
- 実際に台上からサーブを打つ
- サーブカットをしたボールをトスにする
- スパイカーは複数人でコンビ攻撃をする
- 人数がいるのであれば、ブロックも飛ぶようにする ※レシーバーはフォローまで行くこと
③強打レシーブからの切り返し練習
実際に台上から強打を打ってもらい、レシーブをして攻撃で切り返す練習方法です。2マンと似ていますが、実際にブロックも飛んで練習を行うため、ワンタッチのボール処理や、予想外に上がったボールの処理能力を身に付けることができます。
-
- 台上から強打を打ちます(レフト・ライト・速攻)
- レシーブしたボールを両サイドへのトスorコンビ攻撃をします
※セッターが1本目を触った場合や届かない場所に上がったボールをどう処理するのかチームで話し合いましょう!