バレーボール選手であれば、「高いジャンプ」「強烈なスパイク」「素早い動き」を手に入れたいと思います。これらはバレーボールの練習やトレーニングで手に入れるしかありません。
しかし、ただ筋トレを闇雲にするだけではいけません。「何も考えずに必死に筋トレする≠身体能力アップ」なのです。筋力トレーニングと一言で言っても色々な種類があり、筋トレの方法を間違うと逆にジャンプ力が下がったりスパイクの威力が下がったりすることがあります。
今回はバレーボール選手が体のキレ、つまり高い身体能力を手に入れる為にはどんなトレーニングをすることが最適なのか、またどういう考え方で筋トレを行うのがベストなのかについてお話したいと思います。
バレーボールで必要な能力とは
バレーボールで必要な能力は「瞬発力」です。瞬発力とは言葉の通りで、瞬間的に発生させる力の事を指します。
・ジャンプで飛び上がる瞬間
・レシーブでボールを追いかけるダッシュ、等
・ブロックで素早くステップ移動する時
上記のようなプレーが該当します。
つまり攻撃でも守備でもバレーボールは瞬発力を必要とするプレーが多いのです。トレーニングとは不思議でその競技の特性にあったトレーニングしないと逆効果になってしまいます。
例えば、バレーボール選手なのにマラソン選手のように持久力トレーニングばかりしてしまうと、瞬発力が低下してジャンプ力が下がってしまいます。
人間の筋肉には大きくわけて2種類あります。
「速筋」:瞬発的な動き向き・白い筋肉
「遅筋」:持久力向き・赤い筋肉
バレーボール選手は瞬発力アップに必要な「速筋」の割合をどれだけ増やせるかが重要になってくるのです。マラソンなどの持久力練習をしても速筋の割合は増えないのでバレーボール選手にとっては効果が薄いのです。
バレーボールにおける持久力を付けたいのあれば、瞬発的な動きを繰り返すトレーニングを行いながら、心肺機能向上を狙った方が有効です。速筋の割合を増やしながら、心肺機能向上のトレーニングを行うのです。
- 坂道ダッシュ
- スパイクの3本連続打ち込み
- 2マンレシーブ等、ダッシュしてレシーブをする練習
上記のような練習で瞬発力と同時に心肺機能向上を狙っていきましょう。マラソンなどの長距離ランニングも心肺機能向上・持久力向上には有効ですが、膝を痛めるリスクがあるのでオススメしません。
また昔は足腰を鍛えるために長距離ランニングを取り入れているチームが多かったですが、長距離ランニングで手に入る足腰の強さとバレーボールで必要な足腰の強さは全く別物ですので注意しましょう!
アスリートは体重比を意識するといい!
「筋トレをして体重が増えたら動き悪くなる」という昔の指導者がいますが、これは間違いです。昔は「筋トレ≠悪」みたいな風習がありましたが、正しい筋トレを行えばスピードが落ちることも、瞬発力が落ちることもありません。
バレーボール選手が意識すべきポイントは、「体重比」
体重比とはなにか?聞きなれない言葉ですよね。
体重比とは、体重が増加しても動ける体になっているかどうかを判断する1つの指標でもあります。バレーボール選手に限らずアスリートはこれを意識して筋トレすることをオススメしています。
例えば、スクワットやデッドリフトなどで持ち上げられるMAX重量を体重で割った数字の事をさします。
この体重比がトップアスリートで2.2~2.4と言われています。つまり筋肉1kgあたりで持ち上がる重量がアップすれば、瞬発力もアップするとわけです。
この体重比がアップすれば、瞬発力を測定する1つの指標である垂直跳びもアップすると言われています。
まとめ
バレーボール選手は体重を増やしすぎず、この体重比を伸ばすことで瞬発力アップが期待できるのです。体の線が細くてもすごいスパイクを打つ選手がいますが、これは瞬発力が高く体重比も高い選手であることがほとんどです。
逆に体が大きくてもスパイクの威力が全然ない選手は体重比が低く、体重の割りに筋トレで持ち上がる重量が低い場合が多いです。
実際に私も大学に入ってからパワー不足(瞬発力)を実感して3年間で13kg増量していますが、ジャンプ力はアップしました。その上、体重があるのでスパイクの威力もアップしました。
正しいトレーニングで体重比を意識しながら鍛えることで確実にバレーボール選手としての身体能力はアップします!