アイツの神経伝達速度ハンパじゃねぇな!!と言われたい。
言い換えるならば、「アイツの反射神経ハンパじゃねぇな!!」と言われたい。私も言われたいですが、「反射神経」なんて存在しません。
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神経伝達速度とは
例えば、対人レシーブ練習をする時には、人間に神経はこのような動きをします。
- バレーボールを見る
- バレーボールが来たという情報が目から神経を通じて脳へ伝わる
- バレーボールをレシーブしろ!いう命令が脳から運動神経を通り筋肉へ伝わる
- 筋肉が収縮を起こし身体を動かす。
この「○○しろ!という命令」が神経を伝わる速度を神経伝達速度と言います。神経の種類により差異はありますが「秒速40~60秒ほど」です。筋肉の収縮速度と神経伝達速度が速いと「反射神経がよい」となります。
つまり反射神経よい状態にするには「神経伝達速度」と「筋収縮速度」を向上させればいいのです。両方高める事ができるのがベストですが、「神経伝達速度」というのはなかなか鍛えることはできません。
しかし!!
反応速度には個人差がない
上記で説明したように神経伝達速度にほとんど違いはありません。差が出るのは筋収縮速度で、それから基礎筋力などで個人差が出てきます。同じ動作の反復練習を繰り返すだけでも動作スピードは向上します。
バレーボールをスパイク動作も初心者のうちは全くスピードが出なくても段々と早くなってきますよね。その競技・動きになれること = 「神経系トレーニング」でもあります。反射神経とは総合的にトレーニングすることが近道なのです。
神経系トレーニング SAQについて
神経系のトレーニングをしろ!っと言ってもイメージが沸きにくいと思います。最近、有名なプライオメトリクストレーニングも神経系トレーニングに該当しますが、今回はSAQトレーニングを例に神経系トレーニングをご紹介したいと思います。
神経系トレーニングのSAQとは?
Speed、Ability、Quickness の頭文字を取ったトレーニングの名前です。
■SAQとは?
SAQトレーニングという名称は、スピード、アジリティ、クイックネスの頭文字(下記参照)に由来します。S=Speed: スピード (重心移動の速さ)
A=Agility: アジリティ (運動時に身体をコントロールする能力)
Q=Quickness: クイックネス (刺激に反応し速く動きだす能力)
様々なメディアで、低いハードルの上を機敏に連続で飛び越えたり、ハシゴ状の器具の上を素早く走り抜けるトレーニングを見掛けたことがあるのではないでしょうか? 実はそれがSAQトレーニングなのかもしれません。SAQトレーニングは、それまで 「スピード」 と簡単に片付けられた能力をS.A.Q.の要素に細分化し、そしてハードとソフトの双方から漸進的なトレーニングとして体系化したものです。
上記の内容からもわかるように、SAQトレーニングとは筋力トレーニングとは違います。
スポーツなどで必要とされるスピードとストップ&ゴーなど動きをトレーニングするラダートレーニング、バイパートレーニングなどがあります。部活動などのアップで経験された方が多いラダートレーニングですが、ただのアップ運動ではなく敏捷性を高めるトレーニングだったのです。
筋肉と神経の関係
バレーボールをプレーする時に、身体は覚えた複雑な動きをしています。打たれたサーブをレシーブしてから上がったトスをタイミングを合わせてスパイクする。
またスパイクでジャンプする時に屈んで力を溜める動作をしているときには筋肉が収縮しており、飛び上がるときには筋肉が伸縮するのです。このようなジャンプする時の筋肉の収縮・伸縮するスピードを上げるのが神経トレーニングです。身体の動きは脳から神経を通って指示命令が送られています。
その神経に刺激を与えてより早く伝達するようにトレーニングすることで神経の伝達速度があがります。その結果、筋肉の収縮・伸縮速度がUPしてジャンプ力もUPするのです!
神経系トレーニングは子供の頃が一番効果がある!
生まれてから身体が出来上がるまでに、成長が早い部分、遅い部分、身体の成長速度は身体の場所によって様々です。身体の動きを制御する神経系は筋肉や骨より先に発達します。
体の動きを支配する神経は、身体機能の中でも筋肉や骨格などの発達より先に発達します。そのため、神経系を鍛えるためには低年齢でのトレーニング他効果があると言われています。
スキャモンの発育発達曲線を参照します。
曲線はリンパ型・神経型・一般型・生殖型に分かれており、どのパーツがどの時期に成長するのかを示しております。
神経系は生まれて5歳頃までに成人の80%の成長を遂げ、12歳までにほぼ100%まで達すると言われます。
この時期は、神経系の発達が著しく、さまざまな神経回路が形成されていくことで、プレ・ゴールデンエイジ、ゴールデンエイジと呼ばれる時期になります。神経回路は、一度その経路が形成されるとなかなか消えません。例えば、いったん自転車に乗れるようになると何年間も乗らなくても、いつでもスムーズに乗れることが出来きることで理解できると思います。
この時期に多くの刺激を与える、多種多様な動きを経験させることがとても重要です。
◎SHOW Tennis Project
神経系は生まれて5歳頃までに成人の80%の成長を遂げ、12歳までにほぼ100%まで達すると言われます。
神経系トレーニングでのオーバーワークに注意
神経系トレーニングで負荷が軽いから毎日トレーニングを続けていると、オーバーワークになってしまいます。
オーバーワーク症候群の症状とは?
オーバーワーク症候群に陥ると、トレーニングに対するモチベーションが落ちたり、筋トレの結果が出にくい状態になったりします。トレーニングの疲れも抜けにくく、関節が慢性的に痛くなったりすることもある症状です。
まとめ
せっかく頑張って続けたトレーニングもオーバーワークになって休んでしまっていては逆効果です。あなた自身の身体にダメージを残すことはもちろん、チームメイトや家族にも迷惑をかけてしまう可能性があります。
オーバーワークで選手生命が絶たれた人もいます。オーバーワークにならないように、しっかりと身体と心のメンテナンスをしましょう!
休息もトレーニングの一環なり!