高く飛ぶために注意すべきバレージャンプの3つの方法についてお話したいと思います。最近バレーボールを指導していてアニメの「ハイキュー」をみて憧れて、バレーボールを始めましたという生徒に出会うことが多くなりました。
「えっ!?ハイキューって漫画始まったのも最近じゃないの?」って思っていた私なのですが、調べてみると2012年から連載開始してるんですね。
6年経過しているわけですよ・・・中学生が大学生になれるわけですよ!!月日が流れるのは早いです。恐ろしい(笑)
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Contents
スパイカーであれば、高くジャンプしたいですよね
バレーボールを長く続けている人、まだまだ初心者の人、色々な方々がいると思います。どんな人もバレーボールでスパイクをする人は「高くジャンプ」したいですよね。
バレーボールを行う上で高さは正義です。
高さが無くてもブロックアウトで点数を取ったり、タイミングをズラしてスパイクを打ったり、創意工夫する事で点数を取る事は可能です。
ただ技を駆使する事で点数を取ることは大切ですが、それを理由にスパイカーが「高さ」を求める事を怠る理由にはなりません。「高さ」があれば、同じブロックアウトという技を繰り出した時に全く別物のスキルになります。高さがあるという事は、必然的に滞空時間も長くなります。
滞空時間の長いスパイカーが繰り出すブロックアウトはとても厄介です。空中にいる時間が長い分、打つ手を選択できるからです。
- 普通にブロックアウトを狙う
- ブロックアウトを嫌がって、ゆっくり飛んでくるブロッカーの上から早いタイミングでスパイクを打つ
- 相手ブロックが落ちていくのを待ち、ブロックの上からコート奥に足の長いスパイクを打つ
ただのブロックアウト1つが「後出し」という圧倒的有利な状態で攻撃できる技へ変化するのです!悲しいかな身体能力が高い方が有利に進めることができるスポーツなのです。そこで今回は「高く飛べるスパイクジャンプ」についてご紹介します!
バレーボールのスパイクの助走 一連の流れ
まず大事なことは「複雑なスパイクジャンプを一連のスムーズな動作で行う」ことです。ハイキューの言葉を借りるのであれば「いいジャンプはいい助走から!」です。
3歩助走と4歩助走色々と種類はありますが、今回は4歩助走をご紹介します。
- 右足から一歩前に出してスタート
- 右足→左足→右足→左足の順番で助走する
- 最後の「右足→左足」でバックスイングを行う
- 最後の「右足→左足」は最初の2歩より早いタイミングで行う
- 最後のステップは大きく踏み込む
- できるだけ上にジャンプするように意識する(ブレーキする)
文章ではわかりにくいと思うので、動画で確認してみてください。
【Point.1】バックスイングを大きく早くする!
高くジャンプするためのPoint1.は「最後のバックスイングをできるだけ大きく早くすること」です。
スパイクの助走をする時に腕を後ろに引いて前方にスイングするバックスイング。バレージャンプの時にこのバックスイングをすることで高くジャンプする事が可能となります。スパイクの助走で前に行く力と腕の振り上げによる上に行く力が合わさって高くジャンプする事が可能となるのです。
スパイクジャンプのバックスイングは肩を中心に後ろから前へ半円を描くような軌道を描き遠心力を使いジャンプに生かします。
今までバックスイングを意識せずにスパイクジャンプをしていた人は少しバックスイングを工夫することでジャンプする高さが5cm、10cm・・・どんどん高さが上がりスパイク決定率もグーンと上がること間違いなしです!注意すべき点もまとめてみましょう!
- バックスイングを後ろに引いたときは「小指」をできるだけ上に高く上げるようにする!
- バックスイングを後ろから前に戻すときは出来るだけ「早いスピード」で振り上げる!
- バックスイングを振り上げた時は、「左手」を高く上げるように意識する!
①バックスイングを後ろに引いたときは「小指」をできるだけ上に高く上げるようにする!
小指を上にする事で肩関節の可動域が広がります。それによりバックスイングがより大きく、高く振り上げることが可能になります。
この事からわかるように肩関節の柔軟性も高くジャンプするには必要な条件の一つになります。柔軟にも力を入れてみると更に成果が出ます!
②バックスイングを後ろから前に戻すときは出来るだけ「早いスピード」で振り上げる!
大きく高く振りあがった腕は振り上げる時に、重力・遠心力を利用してよりスピーディーに!パワフルに!バックスイングが行えるのです!
バックスイングのスピードが上がる事で上に向かう力は更に力を増すことになります。その力を利用して高くジャンプすることが可能となりのです。
③バックスイングを振り上げた時は、「左手」を高く上げるように意識する!
左手を意識してあげることで必然的にスパイクを打てる態勢ができるのです。この動作を意識して早くすることで、スパイクを打てる状態を早く作り上げることができます。
- 早いタイミングでスパイクを打つことができる。
- 遅いタイミングでスパイクを打つことができる。
- 同じ態勢で長く空中にいる事になるので、早いタイミング遅いタイミングでスパイクの打ち分けが可能となり駆け引きで有利になる。
このようなメリットが生まれます!
バレーボールのスパイクで空中で打てる時間が長くなるのはかなり有利になります。ジャンプ力を上げる以外にも「スパイクまでの準備」を早くすることでこのような効果もあるのです。以上の3点を意識してバックスイングをしてみるといい結果に結びつきます!
【Point.2】助走スピードをジャンプへ活かす!
スパイクジャンプを行うときにゆっくりと助走していては助走のスピードをジャンプに生かすことはできません。「助走のスピード」をバックスイングで「横の力を上に変換」することで助走を生かしたジャンプをすることが可能となります。
筋力は強化する前提での話にはなりますが、Point1.で「横の力を上方向に変換する力下半身の力や助走スピードをブレーキして上に変換する力」を意識的に手に入れる。Point2.で「助走のスピード(横移動する力・速さ)」を手に入れる。
ジャンプの高さが決まる方程式はこれなのです。
当然バネや筋力はこれに加算される要素にはなりますが、ジャンプまでの動きで決まる高さの方程式はこれです。なので、できるだけ「助走スピード」を上げて、できるだけ「横の力を上方向に変換する力」を強化することでジャンプ力はあがるのです。
【Point.3】ジャンプする時の上半身の状態が高さを決める!
スパイクジャンプを行うときに腰を曲げて前傾姿勢になりすぎてはいけません。腰を曲げて前傾になりすぎると、下半身の力が上半身に正確に伝わらないためです。
下半身から伝わった力の流れを上半身に連動させてジャンプする。そのためには下半身から伝わった力を正確に上半身に連動させることを意識しなくてはなりません。
この時に腰が曲がってしまうと下半身から上半身に向かってきた力が腰から上に伝わらないのです。これでは下半身の力の連動が半減してしまい、中途半端なジャンプになってしまいます。更には腰に全ての下半身の力が伝わってしまうので、腰を怪我する可能性が出てくるので注意して下さい。
①ジャンプする時は上半身を起こし、腰は曲げない。
②この態勢を維持する事で頭の上まで下半身の力が伝わりジャンプに生かすことができる。
スパイクの助走 試合で使えるテクニック
さて、Point3つを意識してジャンプできるようになったあなた!試合では高く飛べるだけではダメですよね!ここから先は試合で使える応用のジャンプのテクニックをご紹介したいと思います。
バレーボールの試合をしていると「トスが短い!」「トス低い!」「トスがネットから離れている!」など...練習とは違い毎回違うトスが来ます。
このトスをバシッと打ち切ってこそスパイカーです!セッターはいいトスを頑張ってあげようとします。スパイカーはそれに応えなければなりません。ネットより上に上がったボールはスパイカーの責任です。
バレーボールの練習をする時からどんなトスでも打ち切る意識をして練習に励みましょう!それがバレーボールの試合で活躍できる第一歩です。
短いトスを打つためのスパイクジャンプ方法
バレーボールでサイドのポジションでプレーしていると多いのが「短いトス」です。レフトスパイカーやライトスパイカーの人は経験があるのではないでしょうか。そんなときはスパイクの助走を変えることでスパイクを打ち込むことができます!
バレーボールのスパイク<トスが短い時の打ち方>
まず大事なポイントが3点あります。
①セッターorトスを上げる選手の体勢・力量を「トスが上がる前」に見極める!
いいトスが上がってくるのか、悪いトスが上がってくるか助走を行っている段階で見極めましょう。
セッターの体勢が崩れている場合はトスが乱れる可能性が高いです。普段バレーボールの練習を一緒に行っている時から意識して仲間が体勢が悪い時はどんなトスが上がるのか観察してみましょう!
「この選手はこの距離までトスが届かないからトスが短くなる可能性が高い!」など…
意識して仲間を見ているとトスが上がってくる前の「咄嗟の判断」に役立ちます。敵の動きを意識するのは当然です。更に仲間の動きも予想してプレーできるといいですね!
②助走の最後の1歩は大きく踏み出そう!
トスを上げる体勢が良くてもオーバーハンドパスでトスする時にハンドリングが少しおかしくなってトスが短くなる事があります。いわゆる「抜け気味のトス」です。このトスは体勢からは判断しにくいです。
このトスに対応するには、スパイクジャンプのステップを少し変えるだけで対応できます!
4歩助走の場合「右足→左足→◎右足→左足」でジャンプしますよね。この3歩目の「◎右足」の踏み込み幅を広くしてスパイクジャンプを行います。
- 3歩目の右足助走を大きくすることでスパイクジャンプの移動距離が伸びる!
- スパイクジャンプの移動距離が伸びたことにより短いトスの落下地点まで身体を移動させることができる!
この2点のメリットを得るために、スパイクジャンプの3歩目の助走幅を大きくします。そうする事により、通常のスパイクを打つ位置まで身体を持って行くことが出来るのでトスが多少短くても対応可能となるのです。
③それでもトスが短く間に合わない場合は「ギリギリでジャンプを前飛び」に切替えよう!
①セッターorトスを上げる選手の体勢・力量を「トスが上がる前」に見極める! ②助走の最後の1歩は大きく踏み出そう!のスパイクジャンプのテクニックを駆使しても打ち切れないトスは、実際の試合の場面では多々あります。
その場合の最終手段は「スパイクジャンプを前飛びに切替える」です!
通常のトスの場合、バックアタックを除き前飛びでスパイクをしてしまうと打点が下がりコースの打ち分けが難しくなるのでオススメしません。ただトスをスパイクする場合の優先順位は以下の通りです。
- スパイクコースを意識して、上にジャンプしてコースを狙ってスパイクする(トスが良い時)
- スパイクコースを意識せずに、落下地点に身体を持ってきて上にジャンプしてスパイクする(トスが少し悪い時)
- スパイクコースを意識せずに、落下地点に身体を持っていくために前にジャンプしてスパイクする(トスがかなり悪い場合)
スパイクジャンプを行う時にどのような体勢が一番いいスパイクを打てるのか、このような体勢になったらどう対処してスパイクまで持っていくのか。これを意識して練習することは周りのプレイヤーと差をつける第一歩だと思います。
ネットからトスが離れた時にスパイクを強く打つ方法
バレーボールの試合中や練習中にネットから離れたトスが上がってくることが多いですよね。
「がむしゃらにスパイクしてみよう」
「とりあえず、軟打でスパイクしておこう」
トスが離れる場合の多くは、レセプションが乱されて2段トスになった場面に多いと思います。2段トスは一般的に高くトスをすることが多いので、トスが来るまで時間がかかるので色々考えちゃいますよね(笑)
基本的にはネットから離れたトスは以下を意識してスパイクするといいでしょう!
①足の長いスパイクを狙って打つ(コート奥のエンドラインを狙う)
②クロスのコート奥を狙う(クロス奥が一番距離が長いのでアウトになりにくい)
この2点を意識して2段トスの練習をすると決定率の高いスパイカーになれるでしょう!