ボクシングをやっている人であればパンチ力アップに興味がある人は多いと思います。それ以外にもゲームセンターでパンチングマシンを試してみたけど、いい結果が出なかったから鍛えたいなんて人もいるのではないでしょうか。パンチ力は腕の力が強くなれば強くなるという単純なものではありません。
今回は「パンチ力」アップの方法についてお話したいと思います。
Contents
パンチ力アップするために鍛えるべき筋肉
パンチ力をアップさせるために、鍛えるべき筋肉をご紹介します。
パンチは全身の力を使って打つものですが、鍛える時に優先される筋肉は存在します。その筋肉を筋トレにより優先的に鍛えることで効率よくパンチ力をアップさせることができます。
下半身の筋肉
ハムストリングスは太ももの裏の筋肉です。ダッシュ力やジャンプ力など前進する時に使う筋肉です。
ハムストリングスを鍛えておくことで、パンチを打つ土台が安定するのでパンチ力がアップします。
更に前に進む力がアップするので、踏み込んでパンチを打つ力がアップするのです。非常に重要な筋肉です。
上半身の筋肉
三角筋は投げる動作やランニングで腕を振る動作の時に使う筋肉です。
三角筋は腕を前に出す役割もあるので、鍛えておくことでパンチ力がアップします。ストレート系のパンチやアッパー系のパンチ力強化にも効果があります。
広背筋はヒッティングマッスルとも言われており、パンチ力に大きく関係している筋肉です。
広背筋は主にプル(引く)系の種目で鍛えることができる筋肉です。
あれ?引く系の力ってパンチに関係あるの?と思うかもしれません。実は関係あるのです!
例えば、左ジャブを出した後に右ストレートを打とうとしている場面をイメージしてください。左ジャブを出したあとに右ストレートを打つ場合には左手は引きますよね。この引くスピードが次の右ストレートのパンチ力に大きく影響を与えるのです。
パンチを打たない方の手を素早く引くことで、パンチのスピードもアップするのでパンチ力がアップするのです。広背筋を鍛えることで打たない方の手を「引く」力を鍛えることができるのでパンチ力がアップするというわけなのです。
上腕二頭筋は腕を曲げる時に使う筋肉です。腕を曲げて打つパンチを言えば、フックやアッパーなどのパンチです。
上腕二頭筋を鍛えておくことで、これらのパンチ力がアップします。
体幹の筋肉
腹斜筋は上体を捻る時に使う筋肉です。どのパンチを打つにも体をひねって元に戻す力と合わせてパンチを打ちます。
そのため腹斜筋を鍛えることで全てのパンチ力をアップさせることができるのです。
腹直筋を鍛えることで、パンチを打った時にバランスを崩しにくくなります。
パンチを連打すれば腕の力に振り回されて、バランスを崩してしまい連打がスムーズに出ない時がありますが、腹直筋を鍛えることで体幹が安定するのでバランスを崩しにくくなるのです。
パンチ力は全身の連動性が必要
パンチ力は体の連動性が大切です。パンチは手だけで打っても強いパンチにはなりません。どのスポーツにおいても言えることですが、下半身から上半身に力を連動させることで大きなパワーを発生させることができます。
パンチの場合は下半身から発生した力を体幹で加速させてパンチを打つ手の先端に全てのパワーを乗せることでパンチ力がアップします。
パンチ力を鍛える3つの筋トレ
パンチ力を鍛えることに向いている筋トレを3つご紹介します。パンチ力は「筋力」と「瞬発力」を同時に鍛えると効率がアップします。筋力アップと瞬発力アップの筋トレはやり方が違うので、よく見てから筋トレしてみてくださいね!
その他にも上記の動画で色々なトレーニング方法が紹介されているので、筋トレの参考にしてみてください。パンチ力で重要なのは瞬発力です!
①ベンチプレス
ベンチプレスは大胸筋・三角筋・上半身全体の筋肉を鍛えることができます。
三角筋:腕を前に出す時に使う力がアップ
ベンチプレスで大胸筋や三角筋を鍛えておくことで、全体のパンチ力アップ効果が期待できます!
- フラット(平らな)ベンチに仰向けになる
- 仰向けに寝転がったら、背中がアーチになるように少し反るようにする
※肩甲骨を寄せる意識をすると尚良し! - バーベルを持つ位置は肩幅より外側15cmほどを持つようにする
- バーベルをラックから持ち上げてセットする
- ゆっくりとバーベルを胸に下ろしていく
- 胸まで下ろしたら、バーベルを持ち上げる
- ①~⑥までを繰り返し行うインターバル:3分程度
ベンチプレスについて詳しくはこちらの記事
②懸垂
懸垂は広背筋を鍛えることができます。広背筋は出したパンチを引く時に使う筋肉です。引く力がアップすると、ワンツーなどの連打の回転が速くなるので、パンチの威力がアップします。
また懸垂はぶら下がることができる場所があればどこでもトレーニング可能です。広背筋だけでなく、バランス良く上半身を鍛えることができます。
- 順手でバーを握る
- 広背筋と上腕二頭筋に負荷が掛かっているのを意識しながら、アゴがバーより上に来るように体を持ち上げる
- 一番上まで持ち上がったら一瞬キープします
- 元の状態までゆっくりと下ろします
①~④ を 8回(目標)× 3セット
懸垂は順手・逆手どちらで筋トレしてもオッケーです。握り方やバーを持つ幅によってもトレーニング効果が変わります。プル系(引く)の種目は握力が先に限界を迎えることが多いです。
ターゲットとしている筋肉を追い込む前に握力がなくなってしまい最後まで追い込んだ筋トレが出来ないのはもったいないですよね。そんな人はパワーグリップを装着することで握力を無駄に使うことなくターゲットとしている筋肉を追い込むことができます!
懸垂について詳しくはこちらの記事
③デッドリフト
デッドリフトは「ハムストリングス」「脊柱起立筋」「体幹全体」を鍛えることができます。ハムストリングスはパンチを打つ時の後ろ脚の蹴り返しが強くなるので、前に進む力がアップするので、パンチ力がアップします。
また体幹全体を鍛えることができるため、パンチを打った後にフラつくことがなくなるので、パンチを連打してもバランスを崩しにくくなるのです。
- 床にバーベルを置く
- バーベルの前に立ち、脛(すね)がバーに当たるぐらいの位置に立つ
- 肩幅ぐらいのスタンスで立ち、肩幅より少し広めでバーベルを持つ
- 背中は丸くならないようにして、セットする
- 息を吸って、背中と腰が反っている状態のままバーベルを持ち上げる
- 両ひざが伸びきったら、肩甲骨を内側に寄せるようにする
- 息を吐くようにしながら、背中と腰が反っている状態のままバーベルを下ろしていく
インターバル 2分~3分間
セット数:5セット
デッドリフトについて詳しくはこちらの記事
まとめ
パンチ力をアップさせるには、体全体の筋力をアップさせなくてはなりません。また強いパンチを打つためには、下半身の力を上半身に連動させる「連動性」がとても大切です。ただ手だけで打ったパンチは手打ちのパンチになるので、とても軽いパンチになってしまいます。
下半身を使って体幹をひねって、上半身でその力を加速させてパンチを放つ。これが一番強いパンチが打てる方法です。このパンチを打つためにはパンチの土台となる下半身の強化、その力をブレることなく伝える体幹を強化しなくてはなりません。
それらの力は筋トレと実践練習の両方を平行して行い養う必要があるのです。実践練習だけをくりかえしても効果は薄いですし、筋トレだけでも効果は半減してしまうのです。