Bクイックはセンターポジションの選手が打つスパイクです。Aクイックの次に使う事が多いクイック攻撃です。Bクイックが安定して使えるチームは相手にとって嫌な存在です。
今回はそのBクイックを打たせるセッターのトスについてお話します。
Contents
Bクイックとは
BクイックはAクイックよりセッターとスパイカーが離れていることが特徴です。
セッターとスパイカーは約2m程度離れてスパイクを打ちます。セッターが上げるトスはクイックのトスに該当するので、タイミングや速度はAクイックと同じです。空中にいるスパイカーの打点に対してトスを上げるイメージです。
Bクイックのコツ
Bクイックのコツは2つあります。クイックはそのトスのスピードやキレに目が行ってしまいますが、セッターのトスで大切なのはスピードでもキレでもありません。
セッターのトスで大切なのは、「トスが打ちやすいか?」この1点だけなのです。
スパイカーが打ちやすいトスで最も決定率が高くなる方法を仲間と模索してみてください。また闇雲にトスを上げる練習をしても上達には時間が掛かってしまいます。練習で数をこなす事はとても大切ですが、まずはコツと理屈を理解して練習しましょう!
- 素早く前に運ぶようなトスを上げる
- アゴを引いてトスを上げる
①素早く前に運ぶようなトスを上げる
クイックのトスは直線的で激しいイメージがありますが、直線的なトスは打ちにくいです。理由はスパイクを打てるポイントが1点しかないからです。直線的なトスだと打てるポイントが少なくなってしまうのです。
トスが打てるポイントを通過した後はアウトになったり、誰も返球できないトスになってしまう可能性さえあります。腕だけで上げるようなトスの上げ方をすると直線的で打ちにくいトスになってしまいます。
それに対して少し放物線を描くセッターが体でボールを前に運ぶようなトスは打てるポイントが多いのです。スパイカーがトスが届く前にスパイクすればクロスコースに通過した後にボールをスパイクすればターンに打てるトスになります。
スパイカーもブロックと勝負しやすいトスなので決定率もアップします。勘違いしてはいけないポイントはトスの速度を遅くしろ!と言っているわけではありません。
トスを上げる時に腕だけで投げるようなトスを上げるのではなく、体でトスを持って行ってあげることでトスの球質を柔らかくするといいよ!という事です。
②アゴを引いてトスを上げる
これはバレーボール全てのプレーに共通するポイントでもあります。トスを上げる時にアゴを上げては行けません。
プレーしている時にアゴを上げてしまうと、視野がボールだけになってしまうので、ボールとスパイカーを同時に視界に入れてプレーすることができません。アゴを引いてプレーすることで、ボールの動きとスパイカーの状態を確認しながらトスを上げることができるメリットがあるのです。
Bクイックが主体のチームは強い
Bクイックを好んで使うセッターがいますが、こういうセッターがいるチームは強いです。それはなぜか?
- 多少レシーブが乱れてもBクイックは使える事
- BクイックはAクイックに比べてスパイクコースが広い
①多少レシーブが乱れてもBクイックは使える事
レシーブが短くてもレシーブ返球の位置がズレてもBクイックは使う事ができます。レシーブの返球が乱れた時点でブロッカーはマークする意識が薄くなります。レシーブが乱れた状態で安定してBクイックが使えるチームは相手のブロックも対応できず惑わす事ができます。
またレシーブが乱れた状態でBクイックがあると思わせるだけで相手ブロッカーは両サイドへのブロックの対応が遅れます。乱れた状態でBクイックがあると言うだけで、センターが打たずしてオトリとしての効果を発揮できるんです!
②BクイックはAクイックに比べてスパイクコースが広い
BクイックはAクイックに比べるとスパイクするポイントが多いです。Aクイックは目の前にきたボールを打ち分けるスパイクなのに対して、Bクイックは目の前を通過するボールを自分の叩きたいタイミングでスパイクすることができるので、Bクイックはスパイクコースが広いのです。
クイッカーが空中でブロックを避けやすいので高い決定率を出すことができます!
まとめ
BクイックはAクイックに比べると難しいトスですが、安定して使えるようになるとチームが一気にレベルアップします。乱れた状態でクイックを使えると攻撃の選択肢が広がります。
綺麗に返球されたボールが安定してスパイクできるようになったら、次は乱れたレシーブからのBクイックも試してみてくださいね!