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ストレッチの効果
ストレッチの効果を言えば、柔軟性の向上や可動域を広げてくれる効果がありますよね。あとはストレッチをすることによって、血行が良くなり代謝がアップしたり様々なメリットがあります。
柔軟性や可動域が広がることでケガの予防になります!
- ケガの予防
- 柔軟性の向上
- 可動域が広がる
ストレッチによりパフォーマンスは低下するのか?
実はこのテーマは何年も前から話に上がっている内容です。日本では小さい頃から運動前はしっかり筋肉を伸ばしてから運動しなさいと教育されています。そのため、何の疑問もなく試合前などに長時間筋肉を伸ばすストレッチをする習慣があります。
結論から言いますと、この長時間筋肉を伸ばすストレッチは運動パフォーマンスを低下させる可能性が高いです。日々の習慣的に行うストレッチでは、柔軟性などが向上し運動パフォーマンスの向上みられました。
しかし、運動前に行うストレッチはパフォーマンスに影響しないor悪影響を及ぼすとの報告があるのです。
瞬発力が必要で激しい筋収縮を起こす運動(ジャンプなど)
長時間のストレッチは運動パフォーマンス低下に繋がります。バレーボールなどジャンプしたりダッシュしたりするような運動前には長時間ストレッチすることは避けましょう。
緩い筋収縮を起こす運動(マラソンなど)
緩い筋収縮が起こる運動の場合は、長時間ストレッチで筋肉を伸ばして影響が少ないとの報告がありました。筋収縮の強弱で運動パフォーマンスに悪影響を及ぼすかどうかが変わるのです。
ストレッチは大きく分けて2種類
ストレッチには大きく分けて2つの種類があります。
- スタティックストレッチング
- ダイナミックストレッチング
ストレッチはこの2つに分類されるのです。2つのストレッチは効果が全く違うので、各ストレッチの効果を理解した上で、場面に応じたストレッチをしていきましょう!
①スタティックストレッチング
「日本でストレッチしますよー!」って言うと、①のスタティックストレッチングの事が多いです。スタティックストレッチングとは静的ストレッチの事です。静的という言葉の通り「一定時間かけてゆっくりと筋肉を伸ばす」ストレッチです。
痛すぎない程度に筋肉を伸ばせるところまで伸ばしたらそのポジションでキープします。
②ダイナミックストレッチング
ダイナミックストレッチングとは動的ストレッチの事です。大きな動きをつけながら動くことで筋肉を伸ばすしていくストレッチです。
スタティックストレッチ(静的ストレッチ)がグーッとゆっくり筋肉を伸ばしていくのに対して、ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)は動きの中で筋肉を伸ばしていきます。
動きの中で主働筋を収縮させて、拮抗している筋肉は弛緩させることでストレッチしていきます。
運動前のスタティックストレッチングは悪影響が出やすい
スタティックストレッチング(静的ストレッチ)は運動パフォーマンスに悪影響を及ぼしやすいと言います。ある論文曰く、静的ストレッチにより筋肉の弾性エネルギーが失われることが原因だそうです。
静的ストレッチにより一度に筋肉が動員できる量である筋動員の低下が認められ、更に筋肉の剛性低下が認められたと言います。つまり、筋肉を伸ばしすぎると筋肉から「バネ」が失われてしまう!という事です。
筋肉に及ぼす影響について下記のような実験結果もあるようです。
高い筋力発揮が要求される運動前のスタティック、バリスティック、PNFストレッチのすべてで等尺性、等速性、等張性の筋力にマイナスの影響があります。
研究の中で実施されるストレッチにはストレッチ時間が2分のものから、1時間のものまでと多様ですが、これらすべてにおいてもマイナスの影響が多くでています。
ではどの程度のレベルで悪影響が出るのか。
・大腿四頭筋とハムストリングスに合計540秒ほどアクティブな(自分で収縮を起こす)スタティックストレッチをかけて、膝伸展、屈曲の最大筋力を計測したところ13.8%の筋力低下
・大腿四頭筋に計240秒のパッシブな(外力による)スタティックストレッチをかけたところ膝伸展の等尺性筋力が7%低下
・股関節内転筋群に計120秒のパッシブなスタティックストレッチをかけたところ、等尺性の筋力が股関節外転(股関節を外に開く)45°で8.9%、30°でも10.9%低下
合計伸張時間が比較的短い場合であっても、10%近い筋力の低下というのはとても軽視できるものではないでしょう。
悪影響が出ないようにストレッチするにはどうすればいいのか?
そもそも、ストレッチのメリットはなんだったでしょうか。
- ケガの予防
- 柔軟性の向上
- 可動域が広がる
3つの効果があるんでしたね。
アスリートである以上、このストレッチの効果は絶対に必要です。しかしストレッチしたら運動パフォーマンスが低下してしまう・・・どうすればいいのか・・・?
2つのストレッチの特徴に応じて、ストレッチを使い分ければいいんです!
- 試合前・運動前は「ダイナミックストレッチング」
- 試合後・運動後は「スタティックストレッチング」
これで運動パフォーマンス低下を避けて、筋肉をしっかりストレッチすることが出来ます。勘違いしないでほしいのが、スタティックストレッチングがダメという事ではありません。柔軟性を向上させたり、可動域を広げるという点ではスタティックストレッチングが効果的です。
ただ運動前にスタティックストレッチングを行いすぎると筋肉が伸びすぎて「バネ」が失われるので、運動前はダイナミックストレッチングをしましょう!という事です!