こんばんは、カッキーです!
バレーボールのTV中継でアナウンサーがこの選手は「パワー」がすごいですね!と実況しているのを聞くことがありますよね。この「パワー」って何の事を指しているのか。そして「筋力」との違いは何なのだろうか。
今回は「パワー」と「筋力」の違いについて話していきます。
Contents
「筋力」と「パワー」の違いについて
早速ですが、「筋力」と「パワー」はどのように違うのでしょうか。
「筋力」とは何を指すのか
筋力は「筋肉がどれだけ力を発揮できるか」を言います。
例えば、ベンチプレスでどれだけの重さのバーベルを持ち上げることができるのかは「筋力」にかかっています。つまり「筋肉がどれだけの重さが持ち上がるか?」というのが筋力です。
パワーとは何を指すのか
パワーには筋力と違い方程式があります。
これが「パワー」を現す方程式です。
つまり、パワーとは一瞬で発揮できる力の大きさの事を表しているんですね。バレーボールにおいても、その他のスポーツにおいてもパワーが必要とされます。
例えば、バレーボール選手がすごい筋力を持っていても、それがイコールすごいスパイカーとはなりませんよね。バレーボールはセッターが上げたトスをスパイカーはタイミングよくジャンプしてスイングのインパクトの瞬間にパワーを解放することで強烈なスパイクを打つことができます。
アスリートは筋力が強くてもダメなのです。
バレーボールで重要なのはパワー
バレーボールですごいスパイクを打ったり、高いジャンプをするために必要なのは「筋力」ではなく「パワー」です。
スパイクは筋力をスパイクを打つ瞬間に一気に開放する力が求められます。バレーボール以外でもアスリートであれば、跳ぶ・打つ・走るなど全ての動作にスピードが求められます。
頑張ってベンチプレスが200kg上がるようになっても、バレーボールですごいスパイクを打つには不十分です。パワーの方程式である「筋力 × スピード」の筋力だけを鍛えていることになります。効率が悪いですよね。
そのため、アスリートは筋力と合わせてスピードを鍛えるトレーニングが必要となるのです。
「筋力トレーニング」と「パワー(瞬発力)のトレーニング」の違い
アスリートはパワーを上げる必要があると話してきました。では、パワーを上げるためにはどのようなトレーニングを行う必要があるのでしょうか?
パワーの方程式は「筋力 × スピード」なので、スピードを上げるトレーニングをすればいいという事になりますよね。ベンチプレスのように高重量でバーベルを持ち上げるのではなく、負荷を軽めにして瞬間的な動作をするトレーニングを行うといいでしょう。
このような瞬発的な力を鍛えるトレーニングをプライオメトリクストレーニングと言います。瞬発力を鍛えるトレーニングと筋力を鍛えるトレーニングは別なのです。
それぞれ目的に応じて特化したトレーニングがありますので、目的に合わせてトレーニングをチョイスしましょう!逆に瞬発力トレーニングばかりをやっても効率が悪いので、「筋力」と「瞬発力」どちらのトレーニングもやるようにしてくださいね!
具体的なトレーニング方法は、デプスジャンプやジャンピングスクワット、ハイクリーンなど様々な種類のトレーニングがあります。これらのトレーニングは別記事で詳しく紹介していますので、そちらを参考にしてみてください。
アスリートは筋力強化、筋肥大も重要!
バレーボールに限らずアスリートは「パワー」が重要だと話をしてきましたが、「パワー」だけを鍛えていても限界があります。パワーを多く発揮できるように、プライオメトリクストレーニングでスピードばかり鍛えても発揮できる力は限界があります。
その発揮できる限界値を引き上げてくれるのは、「筋力」だからです。筋力が弱ければ、いくらスピードがあっても能力は頭打ちになってしまうんですね。
筋肥大・筋力・パワーはトレーニングの負荷・回数が違う
- 筋肥大トレーニング:筋肉の断面積を大きくすることが目的
- 筋力トレーニング:重いバーベルを上げることが目的
- 瞬発力(パワー)トレーニング:瞬間的に発揮できる力を上げることが目的
この3つは全てトレーニングの負荷や回数が異なるのです。これを理解していないと、「筋肥大させたいのに、パワー向上目的のトレーニングをしていた」なんて事になりかねません。
具体的なトレーニングの負荷と回数
- 筋肥大目的(持ち上がるMAXの重さの70%程度で8回~12回まで)
- 筋力向上目的(持ち上がるMAXの重さの90%程度で1回~3回まで)
- 瞬発力(パワー)目的(持ち上がるMAXの重さの30%程度で15秒~30秒まで)
筋肥大のメカニズム
筋力トレーニングで筋肉が刺激を受けた時に筋肉の線維が切断されます。切断された筋肉は時間の経過と共に人間の自己治癒能力により修復されます。この時、人間はまた筋肉が切断されないようにより強くなろうと筋肉が少し太く修復されます。
聞いたことがある人が多いとは思いますが、この作用を「超回復」と言います。この筋肥大を狙いたいのであれば、効率よく筋肉を切断してあげればいいのです。その為にはそれなりの重さのバーベルをそれなりのレップ数で持ち上げる必要があります。
持ち上がる重さのMAX70%程度のバーベルで8回~12回持ち上げるというのが、筋肉を切断するのに一番効率がいいと言うことなんですね!
筋力向上のメカニズム
筋力向上のためには神経を強化しなければなりません。
「え?筋力あげるのに神経鍛えるの?」そういう反応になりますよねー。
もう一度言います。筋力を鍛えるのは「神経の働きが不可欠」です。
人間の脳は不思議で、身体が自分の力で壊れないように様々なリミッターを作っていると言われています。筋力の仕組みもその1つです。筋力トレーニングで重いバーベルを持ち上げるという動作を繰り返していると、今までその動作をする時に参加していなかった筋肉まで動作に参加してくるのです。
なにサボってんねん!これを研究者は「運動単位の増加」と名付けています。今までサボっていた筋肉が「何か楽しそうだなー」ってバーベルを持ち上げる動作に参加してきたイメージです。
人間の身体って不思議だらけですよね。この人間の身体の仕組みを使って「運動に参加」する筋肉を増やしてあげるのが筋力向上のトレーニングです。高負荷で運動に参加させる筋肉を増やすわけですね。
瞬発力のメカニズム
瞬発力もほかのトレーニングと同じく脳の仕組みを利用したトレーニングです。重いバーベルを持ち上げる時は動きにスピードが出ませんよね。この時は筋肉のエネルギー効率がいい遅筋を使用しています。
しかし、スポーツなどスピードが求められる動作を行うときには速筋を使用するように人間の脳は切り替わるのです。この速筋を使うという脳の働きはスピードの必要な動作をトレーニングで繰り返すことで強化されると言われています。
プライオメトリクストレーニングなどが、自重や軽いバーベルで瞬間的な動きを繰り返すのはこの脳の働きを狙ったトレーニングなのです。筋肉だけを鍛えるのではなく、筋肉の使い方を脳に覚えこませるという訳です。
【まとめ】【トレーニングの効率があがる!】「パワー」と「筋力」の違いは脳の使い方にあった!?
アスリートはただ筋力トレーニングをするだけでは行けません。そのトレーニングがあなた自身のどの筋肉にどのような効果を及ぼすのか理解して行うことで、トレーニング効率に大きな影響を与えることができます。
筋力トレーニングとは様々な目的のトレーニングがあって、重量や回数によって得られる効果がことなります。今自分に何が必要なのか?そのためにはどのトレーニングが必要なのか?これを理解してトレーニングしているアスリートとそうでないアスリートには差が生まれるのは言うまでもないでしょう。
パワーを向上させる瞬発力トレーニングと言ってもたくさんあります。その中から自分の求めている効果を得れるトレーニングをチョイスして1つ上のアスリートを目指しましょう!