昨今のバレーボールはレシーブをする時にオーバーカットを積極的に使う傾向にあります。アンダーレシーブしかできない選手に比べて、サーブカットやトス、強打レシーブの安定感が違うし、レシーブの選択肢が多いので安定した選手になることが出来るのです。
オーバーカットは練習しないと、全く上手く行きません。しかし練習すればその分上手くなりやすく、アンダーハンドパスに比べて調子に左右されにくいレシーブと言えます。両手の指を使ってボールを掴むようにレシーブするため、アンダーハンドパスより安定しやすいのです。
このスキルを習得することでライバルにレシーブ力で大きな差をつける事ができますよ!今回はオーバーハンドパスが上達する2つの練習方法についてお話します!
Contents
オーバーレシーブを鍛えておく3つのメリット
- 無回転のフローターサーブのサーブカット
- 上半身に飛んでくるボールの強打レシーブ
- 2段トスが安定するようになる
①無回転のフローターサーブのサーブカット
無回転のフローターサーブをカットする時に「オーバーカット」は効果を発揮します。無回転のフローターサーブは上下左右にフラフラと動きますよね。フローターサーブは無回転で打つことにより空気抵抗で不規則な動きをするサーブです。このサーブをレシーブする時にアンダーパスを使うと手元で急な変化に対応できず、レシーブを弾いてしまうケースが多いです。
しかしオーバーハンドパスであれば両手の指でしっかりとボールをキャッチしてレシーブすることが出来るため、大きなサーブカットミスにはならないのです。指からすっぽ抜けて後方にボールを飛ばさない限り、AパスかBパスのキャッチが必ずできます。世界レベルでも無回転のサーブには「オーバーハンドパスで捕まえる」ことが主流なのはこれが理由です。
私も基本的に無回転サーブはオーバーカットでレシーブできる位置で構えてサーブカットをしています。またオーバーハンドパスでサーブカットすると、レシーブしてからスパイク動作への移行がスムーズに行うことが出来るのもスパイカーにはうれしいポイントです!
②上半身に飛んでくるボールの強打レシーブ
上半身に飛んでくるスパイクに対して、アンダーでのレシーブしか出来ない選手は腕を振って体の横もしくは斜め上でレシーブすることしかできません。レシーブの構えから腕を振って強打をレシーブしようとしても・・・
- 反応が間に合わずスパイクに触れる事さえできない
- スパイクを追う形のレシーブになるので後方に弾いてしまう
上記のどちらかになることが多いです。スパイクをレシーブする時は最短距離を無駄な動作無くレシーブしなくては反応が遅れてしまうのです。そのため強打レシーブをする時は「腕を体の前に出してスパイクが当たったら上がる状態」を先に作っておきます。
・「下」に来たボールはアンダーハンドパスでそのまま反応する
・「上」に来たボールはオーバーハンドパスで手を体の前から上に切り替えて反応する
上に来たボール・下に来たボールのレシーブ方法の切り分けが大切なポイントです。
下に来ても上に来ても同じようにアンダーハンドパスでレシーブしているようでは、速いスパイクをレシーブすることは困難なのです。「最短距離」「無駄なく」反応する!この2つがとても大切なのです。
③2段トスが安定するようになる
オーバーハンドパスを鍛えることによって、副産物的にメリットとして現れるのが「トス」の安定感です。強打をオーバーカットでレシーブする練習を繰り返すことにより・・・
- 指の力がアップする
- オーバーレシーブでボールを捉えるタイミングを掴める
スピードのあるボールをオーバーハンドパスでレシーブすることを繰り返すことにより、指の力がアップします。さらにスピードのあるボールをオーバーハンドパスで正確に捉えることが出来るようになるため、トス程度の緩いボールなんて簡単にトス出来るようになっちゃいます。
人間慣れって怖いですよ(笑)今まで高いボールをトスするのが、嫌だった選手が繰り返しオーバーパスで強打レシーブを繰り返していると2段トスでドリブルすることなんてほぼ無くなっています。指が高く上がったボール程度の威力じゃ負けないようになるんですよね。
それまでは落下してくるボールの威力に指が耐えられなかったのに、繰り返し速いスパイクをレシーブする練習を繰り返すことにより、耐えられる指になることが出来るのです。
オーバーレシーブが上達する2つの練習方法
- 2人1組のオーバーカット練習
- 膝を床につけたオーバーカット練習
①膝を床につけたオーバーカット練習
膝を床につけた状態でオーバーの位置に強打を打ってもらいレシーブを反復練習します。この練習を繰り返すことにより、体幹と指の力を使ってオーバーレシーブしたボールを飛ばす感覚を鍛えます。
どうしても立ってオーバーカットすると力が入りすぎるために力んでしまう選手が多いです。膝を床についてレシーブすることで、強制的に使える筋肉を上半身だけにして、無駄な力を抜いてレシーブするように体に叩き込むことができます!
●練習人数:2人1組
- 2人の距離は2-3mほど離れてください
- 片方の選手が膝をついた状態でオーバーカットの構えをしてください
- 打ち手は膝をついている選手の手に向かって無回転のボールを打ってください
- 膝をついてレシーブしている選手はボールが来る前から手を上げておいてください
- 慣れてきたら打つボールのスピードを上げていきましょう
1分 × 3セット で出来るだけ多く反復練習しましょう!
①2人1組のオーバーカット練習
2人1組に分かれてオーバーカットを練習します。次は下半身も使える状態でのオーバーハンドパスなので、①で練習した上半身と指の感覚+下半身の力をボールに伝えてあげる練習です。
・1人は打ち手で相手のオーバーする手に向けて強打を打つ
・2人はオーバーカットを繰り返す
- 打ち手は強打をレシーバーの手に向けて打つ
- レシーバーはそのボールをオーバーカットする
・腰を浮かさないようにする
・アゴを引いてオーバーカットする
・背中を丸めないでオーバーカットする
この3つの注意点を守りながらオーバーカット練習を繰り返してみてください。腰が浮いてしまうと、フラフラして安定感に欠けるのでレシーブが安定しなくなってしまいます。腰を落としてしっかり構えた状態でオーバーカットしましょう!
オーバーカットの練習方法について詳しくはこちら!